前回皇室典範について書いたが、その補足として、占領典範(皇室弾圧法)の欺瞞を解いていかうと思ふ。
その前に根幹のみ再度書いておく。
占領憲法二条には、皇室の家法を国会の議決で勝手気ままに変へ放題出来る。皇室の家法に対して、占領憲法が口出せるのである。
[占領憲法二条] 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。正しきは↓
[大日本帝國憲法第ニ条] 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承ス [大日本帝國憲法第七十四條] 一. 皇室典範ノ改正ハ帝国議会ノ議ヲ経ルヲ要セス二. 皇室典範ヲ以テ憲法ノ条規ヲ変更スルコトヲ得ス
皇室典範の改正は、帝國議会の議決を経ることを要せず、皇室典範をもって憲法の条規を変更することはできない。
大日本帝國憲法、皇室典範は、お互い干渉しない同列(皇室典範が少し上位といふ論もある)の正統典憲である。
さて、帝國憲法と同列の正統皇室典範を廃止して、占領憲法支配下の法律に格下げした占領典範が、不文憲法、帝國憲法、明治典範に明確に違反してをり無効である事は云ふまでもないが、占領典範が皇室弾圧法である事を一部の条文を以て追っていく。
[占領典範二十九条] 内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。(見解)
皇族会議を皇室会議としその議長は総理だとしてゐる。皇室の家法に総理が議長として堂々と居座るのである。
2. 議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人を以て、これに充てる。
(見解)
皇室会議に、皇族御二人のみ。残り八人は….。
2. 前項後段の場合において、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(見解)
六人以上の議員。出席した議員の三分の二以上の多数でこれを決し。
(本来)皇族会議に「議員といふ臣民」が侵蝕してゐる。
皇室の家法を総理が決する。
我々臣民は、この占領典範が「皇室弾圧法」である事にいち早く気づかねばならない。
この皇室弾圧法を無効確認し、正統典範を皇室に奉還する事よりも、占領憲法九条を改正する事の方が先だ、と主張する輩は、残念ながら日本人の心の欠片も無い。
正統典範を皇室に奉還するとは、占領典憲が無効であるといふ事であり、即ち大日本帝國憲法有効現存確認とほぼ同時に行はれるのである。
正しきは↓
[明治典範第五十五條] 皇族會議ハ成年以上ノ皇族男子ヲ以テ組織シ內大臣樞密院議長宮內大臣司法大臣大審院長ヲ以テ參列セシム(現代語訳)皇族会議は成年以上の皇族男子で組織し、内大臣・枢密院議長・宮内大臣・司法大臣・大審院長を参列させる。
[明治典範第五十六條] 天皇ハ皇族會議ニ親臨シ又ハ皇族中ノ一員ニ命シテ議長タラシム(現代語訳)天皇は皇族会議に親臨し、又は皇族の中の一員に命じて議長にさせる
(見解)
伊藤博文著『皇室典範義解』には、
「天皇が皇族会議に親臨されるときは、自ら会議を統理される。その親臨されない時、又は自ら会議を統理されない時は、別に議長を指名する」とある。
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