動画観ました。勉強させていただきました。
~ 勉強会テキストから引用 ~
『歴史的伝統的に、誰が決めたわけでもなく自然に形成されてきた法が存在し、これが、自由を保障し守る為の規範となる。もしもこの規範を遵守しない國民がゐた場合、これを強制力を以て遵守させるのが政府の役割である。しかし、ここで注意せねばならない非常に重要なことがある。それは、規範の遵守の強制は政府の役割であるが、規範の制定は政府の役割ではない、といふことなのである。』
~ 引用ここまで ~
なるほど、例へば武士道も、自然発生的な思想なのである。武士道は、儒学の学院から生まれたものでもなく、仏教の僧堂で創案されたものでもない。日本の國土で戦った武士達が、やむにやまれぬ思ひで、戦場で生み出したもので、日本土着の思想、精神なのであり、現在に至っても、「日本人の心」に根付き相続されてゐるのである。
また以下のこのポイントは最も重要なのではないだらうか。
「科学技術は進歩するが、人間の心、感情といふものには、数千年の経過があらうとも、ほとんど進歩はない。」
~ 勉強会テキストから引用 ~
『18世紀以降にフランスなどで発展した理性万能啓蒙思想は、人間の理性に全幅の信頼を置き、父祖より相続した道徳や慣習、伝統などを否定して、理性による人間の進歩を唱えたものであった。しかし、このやうな思想を土台としたフランス革命やロシア革命などが、人類にとって大きな惨禍を招いたこともまた事実である。
未来に希望を持ち、これをより良くしたい、との感情は良いものだとしても、その手法が過去の否定、歴史からの切断となっては、社会は崩壊し、國家は滅ぶのであることを、経験は教へてくれたのである。
確かに、科学技術は進歩する。だから文明の進歩というものはある。ただし、それは人間そのものの進歩を意味しない。人間の心、感情といふものには、数千年の経過があらうとも、ほとんど進歩はない。
科学技術の進歩と混同し、人間もまた進歩し、進化するのだ、と錯覚する思想のことを進歩主義と呼ぶことができよう。基本的人権もまた、土台を進歩主義に負ってゐるがゆえに、これらの弊害を免れない。』
~ 引用ここまで ~
エドマンド・バークは、「フランス革命の省察」の中で、「弱い人間理性の考案物を補強すべく、自然の不謬強力な本能の援けを求める事によって、自らの自由を遺産として考へ、恰も列聖された先祖の眼前にでもゐるかのやうに何事も行為してゐれば、この意識が、畏怖すべき厳粛さで以て、あの成り上がり者的尊大さを抑制し、中庸を得、我々の自由は一種高貴な自由となる」と述べてゐる。
- ※参考文献
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- 「エドマンド・バーク著(半澤孝麿譯) フランス革命の省察」
- 「葦津珍彦著 武士道 ~戦闘者の精神~」
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